ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2015.2.15 00:50

「年月」が証明すること


NHK朝ドラの「マッサン」が抜群に面白くなった。

あのぐずぐずした主人公のイラつきがなくなって、

やっと好感が持てる主人公になった。

職人魂で、良質なウイスキーを作ることだけにこだわっても、

なかなか商売に結び付かない、その苦悩。

作家としてもよくわかる葛藤だ。

 

良いものを作ってもなかなか売れない、その原因は「年月だ」

という考えは確かにあるのかもしれない。

マスコミや風評に影響された偏見で、小林よしのりの作品は

読まなかったけど、最近『戦争論』を読んでみて、こんなに

真っ当で、面白かったのかと感想を送ってくれる読者もいた。

 

言論に関しては、年月を経て評価が定まってくることもある。

アフガン・イラク戦争に関する態度だって、産経保守に巣食う

親米保守は、今やだんまりを決め込むしかなくなった。

イスラム国を非難しながら、イラク戦争には絶対触れない

という自己欺瞞を続けている。

 

だが、誰が正しかったかを、じっと見ている人はいるはずで、

言論なんか無責任でいいと思ってる馬鹿など、わしの読者に

ならなくていい。

 

年月を経たら、高森氏の「女系も含む直系」が皇統だという

意見の正しさも証明される。

だが絶対に今の男系固執派は謝らないだろう。

「公」のための意見や態度ではなくて、「私」の意地、「私」の

楽しみとしての運動のため、「私」の自称保守の村人という

ポジションで生きるため、すべては「私」のためなのだから。

 

「年月」が良品質を証明する。「年月」が正論を証明する。

その日をじっと待つしかない場合もあるのだろう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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令和6年 9/14 SAT
14:00~17:00

テーマ: オドレら正気か?LIVE「民主主義に希望があるのか?」

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